星を見るという厳しい基準をクリアした双眼鏡で、
「とにかくアーティストやアイドルを間近に見たい!」という需要にも応えられるモデルです。
対物レンズ有効径 | 42mm(EDレンズ) |
倍率 | 8倍 |
実視界(見かけ視界) | 7.5度 (見かけ視界60度) |
アイレリーフ | 18mm |
明るさ | 28 |
レンズコーティング | 全面マルチコート |
最低合焦点距離 | 2.0m |
重さ | 688g |
サイズ | 横127mm×縦132mm×厚さ50mm |
プリズム | Bak4 |
生産国 | 中国 |
カラー | ブラック |
眼幅調整範囲 | 57mm-75mm |
防水性能 | 深さ3mの水中で3分間(窒素充填) |
付属品 | ソフトケース、対物キャップ、接眼キャップ、ストラップ |
三脚取付について |
中央ヒンジ正面のキャップを外すと、 三脚取付用のねじ穴があります。 別途、ビノホルダーと呼ばれる商品を ご購入すれば(弊社では取り扱っていません)、 双眼鏡への取り付けも可能です。 例:「ビクセンのビノホルダーH」 |
星好きの私は、過去40ミリ~50ミリの双眼鏡を多数購入した経歴がありますが、結局手元に残したものは、たったの3台だけ。
お買い得商品を求めてさまよい続け、結局多額の費用を費やすという、失敗をしてしまいました。
結論から言うと、最高級を1台と普段使いのデキる双眼鏡1台があれば充分なのですが、
「普段使いのデキる双眼鏡」
を選ぶのがなかなか大変なのです。
40ミリ級の最高峰といえば、スワロフスキーELやツァイスVictoryなどの30万円クラスのものです。性能に関しては最高レベルにふさわしいもので、初めて見た時はショックを受けるほどです(価格もショックを受けます!)
一方、最もコストパフォーマンスが高く各社力を入れているのは、4万円~6万円の価格帯の双眼鏡です。
かつて私が失敗したのは、このクラスの性能がいまひとつで、満足できなかったからでした。おそらく最高級品で眼が肥えてしまって、妥協点が上がってしまったのでしょう。
ところがここ最近、状況が変わってきています。
中国製のダハタイプがほとんどなのですが、このクラス性能がこのところメキメキと上昇してきているのです。
フルマルチコーティングやEDレンズ(色収差の少ないガラスを使用)はもはや定番化しており、そこに加えて使いやすさや稼動部の動かしやすさ、内部のつや消し、迷光対策など、外観からは分からないところまで、気が配られ始めています。
今回ご紹介する日の出光学「ヒノデ8×42-D1」も、そんなカテゴリーの中の1台なのですが、その中でも頭ひとつ抜けた商品です。
何回か使用してみての不満が、
「目当てのツイストカップがあと数ミリ引き出せれば、言うこと無し。」
しか、思い浮かばないのです。
「最初からこれがあれば、散財しなくて済んだのに・・・。」
日の出光学のスタッフから、
「今回の42mm(ヒノデ8×42HD-D1)は、天体観測用です。」
と、事前に伝えられておりましたが、これはどういうことかというと、
「最も光学性能を要求される対象である「星」をみることにも耐えられる製品ですよ。」
ということなのです。
しかも全員ベテランの星好きなので、彼らが納得した商品とあらば、期待が高まります。
というわけで、性能の判断は実際に星を見て行う、と決めておりましたので、今回は夏の明け方に見えたおうし座のスバル「M45(プレアデス)星団」を眺めてのテストです。
ED(超低分散ガラス)レンズを対物に採用してあり、色収差がほとんど感じられないすっきりとした見え味になっています。
青い星がきっちりと見え、にじみなどは感じず、非常に気持ちのいい印象を受けました。
夜空の月の際は色収差を感じやすい対象です。D1で確認したところ、じっと見てわずかに色ズレを感じただけでした。
明るい曇天のときに木の枝などの際を見ると、普通の光学ガラスだと虹色が目立ちますが、今回のD1はこれが非常に低レベルに抑えられていて、視野全体がスッキリした印象です。
全体がやや淡白な発色に感じるのは、コーティングの特性よりも色収差が少ないことによる影響だと感じます。
良像範囲は少なくとも80%を超えていて、スバルの主だった星はすべて、ほぼ点像で楽しめます。
当然ですが、42mmの口径があると光量があるので、星雲・星団の見え方にも余裕がありますね。
見かけ視界は、60度で全く窮屈さを感じません。スバルの見え方としては、理想的なものです。
極端な広角ファンでなければ、充分に満足できると言えるでしょう。
写真をクリックすると、拡大することが出来ます
このレベルの双眼鏡としては当然ですが、フルマルチコート仕様となっています。
私の印象では、冷淡とまではいかないまでも、割と淡白な発色であるような印象を受けましたが、色収差を感じないことによる影響が大きいかもしれません。
夜間、強い光源の方向を眺めて、フレアの発生などを確かめましたが、迷光対策がきっちりと施されているのが分かりました。
このあたりの作りこみが、これまでの中国製4~5万円台の双眼鏡とは異なるところです。
直線的なシンプルなデザインですが、ホールド感は良好です。
本体にはマグネシウムを採用しており、高級感と同時に軽量化にもかなり役立っています。実際に手で持つと、中に光学ガラスが詰まっていることを考えると、かなり軽く感じます。
中央のアルミ製フォーカスリングにはローレット加工(滑り止めの凸凹)があり、手袋を使用しての状況でも、用意に操作が出来そうです。高級感があって満足度アップです。
見口は3段階に調節できるツイストカップ方式です。
個人差はあるのでしょうが、
あと一段手前に引き出せると、接眼部を目に当てて(押し付けて)使用できて安定感が増すように思います。
中央ヒンジのフリクションも、渋すぎずゆるすぎずちょうどいいと思います。
上の写真を見ると、ダハのメリットによる小型化に成功している様子がわかります。
体感的にも重さをあまり感じません。
対物キャップは紛失することが無いよう、本体に固定されている形式です。これ便利ですよね。これに慣れると、キャップを外してポケットに入れるのが極端に煩わしく感じるようになります。
ストラップは幅が広く、首に食い込むようなことはありません。
星を見るという厳しい要求にも充分耐えられる双眼鏡であることは、すでに述べたとおりです。
でも、ここでどうしても言いたいことは、
「コンサートに、もって行けばいいんじゃない?」
と、いうことなんですね。
これまで何度もコンサートに適した双眼鏡の相談を受けてきましたが、持ち運びを考えるとコンパクトを中心に選ぶというのがセオリーでした。
でも、かばんに入らないほど大きいわけじゃない。
肩が凝るほど、重いわけじゃない。
大きすぎて会場のお客さんから、怪訝な顔をされるほど大きくはない。
だったら、パワーのある8倍42ミリを持っていって、迫力のある映像を楽しんでしまえばいいのです。
大好きなアーティストのコンサートですから、思い入れは相当なはず。その人達が限界まで大きく見たいのなら、D1を持っていけばいいのです。
D1は40ミリ級としてはかなり軽い方なので、こんな使い方もOKです。
1ヶ月間、返品を受け付けます。
クオリティには自信がありますが、ご満足いただけない場合は、返品を受け付けます。商品の到着確認後、送料を含めて、返金いたします。
通常使用の範囲内で故障した場合は、購入から1年間無償で修理いたします。