初代 iPhoneが登場してから今年は10年目の年だそうで、それ以前の世界にはスマートフォンがなかったことを考えると、この間の変化はすさまじいものがあります。
デジタル製品と異なり、双眼鏡は100年以上の歴史がありながら、非常にゆっくりと進歩してきました。
今年も革命級の進歩があるとは考えにくいのですが、10年前には超高級機にしかなかったコーティングの仕様が、普及機レベルにも使われるようになっていて、間違いなく進歩しているといえるでしょう。
双眼鏡の魅力の一つは、一瞬一瞬の光景を楽しむ、というところです。
昔、皆既日食を海外のツアーに参加した時、私以外の全員が写真を撮っていました。私だけ写真は一切撮らず、双眼鏡でコロナの様子を見続けたのですが、どんなに解像度の高いカメラを使っても無数の光の筋は再現できないわけで、記憶に刻むしかありません。
写真の楽しさも理解はしていますが、はかない記憶に刻むという双眼鏡もまた、楽しい趣味だと思っています。
運動会など家族のイベントでも双眼鏡で見ている保護者はほとんど見かけませんが、写真の合間に是非、双眼鏡でも楽しんでいただければと思います。
今年も、皆さんに楽しく使っていただける双眼鏡の選び方のお手伝いができればと思っておりますので、よろしくお願いします。