双眼鏡の選び方で、もう迷わない! 初心者のための双眼鏡ガイド
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観劇用双眼鏡の選び方


知人に誘われて柄にもなくバレエの舞台に出かけたことがあります。

 

ジャンプするときの筋肉やクルクル回るバレリーナの美しさに、普段興味のない私でもくぎ付けになりました。

 

このとき双眼鏡を持っていった私は隣の知人に貸してあげようとしましたが、最初彼女は断りました。なぜなら、自分でオペラグラスを持っていたからです。

 

休憩時間に私の双眼鏡を見せてあげると、

 

「うわーっ、何これ!」

 

とその見え方に驚いていました。その後はオペラグラスはしまい込んで、私の双眼鏡をずっと使っていました。

 

観劇は双眼鏡よりもオペラグラスという思い込みが多くの人にあるようですが、光学機器に詳しい人ならほぼ100%双眼鏡を選びます。

 

 

今回の記事ではその理由と、どのような双眼鏡が観劇に向いているのかについて詳しく説明します。

 

観劇=オペラグラスの勘違い

 

宝塚、劇団四季のミュージカル、歌舞伎などの劇場は一番遠い席(2階席の一番奥)から舞台までの距離は、およそ30~40mです。この距離は低倍率・広視界・コンパクト双眼鏡が最も活躍する分野です。

 

ところが、一般的に観劇といえば双眼鏡ではなくて「オペラグラスを持っていくもの」という思い込みがあるようです。

 

 

しかし、ほとんどの人は双眼鏡とオペラグラスの違いをきちんと説明できません。そこで、オペラグラスと呼ばれているものが、一般的な双眼鏡とどのようにことなるのかについて最初に説明します。

オペラグラスの正体

写真を見るとわかる通り、オペラグラスはとてもコンパクトにできています。

 

黄色は折りたたみできますし、赤い方も双眼鏡特有のでっぱりがありません。デザイン的に大変スッキリしていてファッショナブルです。

 

実はオペラグラスと呼ばれているものは、「ガリレオ式望遠鏡を2つ平行に並べたもの」です。

 

そう、あの地動説を唱えたことで有名なイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが製作した望遠鏡です。彼は自作のガリレオ式望遠鏡で月にクレーターがあることや木星を回る衛星を発見しました。

 

では、もう少し詳しくガリレオ式望遠鏡について学びましょう。

 

 

・ガリレオ式望遠鏡

ガリレオ式望遠鏡は、対物レンズに凸レンズ、接眼レンズに凹レンズを使用しています。この組み合わせの最大のメリットは、正立像(上下が正しい像)が得られることです。

 

そのためガリレオ式望遠鏡を2つ平行に並べるだけで、簡単に双眼鏡が作れます。見た目がコンパクトでファッショナブルになります。

 

最大の欠点は、倍率を上げるとその2乗に比例して視野が狭くなることです。過去に5倍のオペラグラス(ガリレオ式望遠鏡)をのぞいたことがありますが、視野が極端に狭く非常に使いづらかったのを覚えています。

 

 

そういう理由から市販されているオペラグラスは倍率を3倍程度までに抑えられています。

 

・ケプラー式望遠鏡

 

 

倍率が3倍まででは話にならないため、現在の望遠鏡(双眼鏡)の主流はケプラー式と呼ばれる方式が採用されています。

これは対物レンズと接眼レンズに凸レンズを使用しています(実際には、収差をおさえるためにもっと複雑な構成です)。

 

こうすると倍率を高くしてもある程度の視界が確保できる、性能の高い望遠鏡の製作が可能となります。

 

ケプラー式では、像が上下逆さまの倒立像になります。宇宙を眺める天体望遠鏡の場合、上下逆さまに見えることは問題になりません。

 

しかし、お芝居や風景を見ることの多い双眼鏡では、倒立像でないと不便です。そこで、対物レンズと接眼レンズの間に鏡の役割をするプリズムを配置し、倒立像をひっくり返して正立像が得られるようにしています。

 

以上のことから、光学機器としての性能を考えるとはるかに双眼鏡のほうが上です。観劇といえばオペラグラスと思い込んでいた人は、考えを改める必要があります。

 

また、オペラグラスは簡易な造りなため内面の黒塗り(コントラストに大きな影響を及ぼす)などがほとんどされていない製品や、折りたたみ式では外部の光が鏡筒内に入り込んでしまい見え方を劣化させます。

 

 

価格は高くなりますが、実利を考えると私はオペラグラスより低倍率・広視界のコンパクト双眼鏡を強くオススメします。

 

観劇用の双眼鏡の選び方

 

ここからは、観劇用の双眼鏡の選び方について説明します。先述したように、宝塚、劇団四季のミュージカル、歌舞伎などの劇場は一番遠い席(2階席の一番奥)から舞台までの距離は、およそ30~40mです。

 

ここで大切なのは、倍率の選択です。私の経験上、観劇で最も使い心地がいいのは、舞台の半分くらいが同時に視野に入る倍率です。

 

8倍の倍率を選ぶと、8分の1の距離から肉眼で見た大きさに見えます。30m離れた席からこの双眼鏡を使うと、3.8mの距離から人を眺めるような大きさに見えます。これでは大きすぎて中心の役者しか見えません。

 

市販されている双眼鏡の最低倍率に近い5倍の双眼鏡を選ぶと、6m離れたときの感覚で舞台を見られます。視界が広めの双眼鏡を選べば、数人の役者を同じ視野に入れられます。

 

双眼鏡の長所は両目で見るため立体視できることです。あたかも舞台に一番近い席からお芝居を見ているような感覚が味わえます。

 

口径は20mm台のコンパクト双眼鏡が適しています。軽量なので女性が長時間使用しても疲れることはありません。

 

・メガネをかけている人はアイレリーフが14mm以上の双眼鏡

 

メガネを使用している人は、双眼鏡のカタログの「アイレリーフ」の数字が14mm以上のものを購入するようにしましょう。

 

メガネをかけると、接眼レンズと眼の間にすき間ができるため、アイレリーフが短い双眼鏡を選んでしまうと視野の隅まで見ることができません。

ちなみにメガネ使用者ように設計されたアイレリーフを「ハイアイ」とか「ロングアイレリーフ」という名前で呼ばれることがあるので覚えておきましょう。

 

・ファッション性も大事

 

一般的に観劇=オペラグラスという考えは、オペラグラスのおしゃれなイメージから発生しているのかもしれません。

 

 

非日常的な空間である劇場で使用する双眼鏡が、バードウォッチングや星を見るときのような真っ黒で武骨な双眼鏡だったら、使うのがためらわれます。

最近の低倍率コンパクト双眼鏡においては、各社カラフルなカラーバリエーションを用意してあります。

 

光学性能をしっかりと確かめたうえで、劇場内で使っても恥ずかしくないおしゃれなものを選ぶようにしましょう。

 

 

劇場内で双眼鏡を使用するときの注意点

 

 

 

最近はマナーについてうるさく言われることが多い世の中ですが、劇場内で双眼鏡を使用することはマナー違反ではありません。

 

カメラやビデオでの撮影は主催者により禁じられていることがほとんどです。また、スマートホンなどの電源も上演中はOFFにするのがマナーです。

 

しかし、双眼鏡の使用については注意されることは私は聞いたことがありません。

 

ただし、視界を確保したくて座席から前のめりになって双眼鏡を使用すると、後方の人の視界を遮ることになり、迷惑に感じることもあります。

 

背もたれに背中をつけた状態で舞台をみるなら、まったく問題はありません。

視界を安定させるために、膝の上にカバンなどを置き、そこに両肘を固定すると長時間楽に双眼鏡を使用することができるので試してください。

 

 

まとめ

観劇といえばオペラグラスと思い込んでいる方が多いのですが、光学性能を考えると多少費用はかかっても普通の双眼鏡を選ぶほうが得策です。

 

観劇の会場はそれほど広くないので、低倍率・広視界・コンパクト双眼鏡が最も活躍してくれます。具体的には、倍率は5~6倍・実視界8~11度・口径20mm台の双眼鏡がピッタリです。

 

メガネをかけている人はアイレリーフの数字に注意しましょう。また、劇場内で使用しても恥ずかしくないおしゃれな双眼鏡を選ぶといいです。

 

 

立体視による臨場感は双眼鏡ならではの醍醐味です。最前列の席以外なら、コンパクト双眼鏡を携行することをおススメします。

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