実視界と混同されることがあるので、注意が必要です。
見かけ視界とは「双眼鏡をのぞいたときに視野がどれくらいの角度に開けているか」を表したものです。少々わかりにくいので、写真をご覧ください。
標準視野(標準的な見かけ視界)は50度とされています。接眼レンズに「広角タイプ」のレンズを使用すると、この見かけ視界が広がります。
広角と呼ばれる双眼鏡の見かけ視界は65度以上です。60度のものは準広角と呼ばれていますが、それでも広々とした印象を受けます。
同じ倍率で見かけ視界が広がると、当然、実視野も広がります(下の写真)。
見かけ視界・倍率・実視野の関係は次の式の通りです。
見かけ視界(°)÷倍率=実視野(°)
例えば、下の写真は8×42 実視野が7.5°の双眼鏡です。この双眼鏡の見かけ視界を求めてみましょう。
見かけ視界は、8(倍率)×7実視野(°)で計算できます。したがって、この双眼鏡の見かけ視界は56°であることがすぐにわかります。
標準よりやや広めといったところです。
見かけ視界の広い広角双眼鏡を使用すると、迫力のある像が得られます。
しかしながら、周辺像が悪化(ボケたり歪む)しやすいため、標準視野を好む人もいます。
私の個人的な印象ですが、50度の標準的な見かけ視界は「大人しい見え方」です。55度から見やすさが増して、60度の準広角でも充分迫力があります。