双眼鏡をのぞいたときに感じる明るさを知るための大切な数字です。
ひとみとは、双眼鏡を白い明るい壁などに向けて、接眼レンズから徐々に眼を話していくと丸い光の円が確認できます。これを「ひとみ」と呼び、その直径を「ひとみ径」といいます。
・ひとみ径と明るさの関係
ひとみ径の大きさは、次の式で求められます。
対物レンズの口径(有効径)÷倍率=ひとみ径
たとえば、8×42(8倍・口径42mm)の双眼鏡なら、
42÷8=5.25
ひとみ径は5.25mmとなります。ひとみ径が4mm以上あると明るめ、5mm以上は明るい双眼鏡といえます(実際この双眼鏡は天体向きです)。
カタログなどで表示される「明るさ」はこのひとみ径を2乗したものです。ひとみ径が5.25であれば、明るさは27.56です。
同じ8倍でも口径20mmなら、ひとみ径は2.5mm、明るさは6.25となります。
このことから、8×42の双眼鏡は8×20の双眼鏡よりも、4倍以上明るいといえます。
・瞳孔と明るさの感じ方
人間の瞳孔は、明るい場所では小さく(2~3mm)、暗い場所では最大7mmまで開きます。自動の絞り機能で、眼に入る光の量を調節しています。
瞳孔径の変化により、同じ双眼鏡を使用しても条件によって明るさの感じ方は変化します。
ひとみ径3mmの双眼鏡を使用すると、日中の明るい景色を見るときには充分な明るさです。しかし、夜間に瞳孔が7mmまで開くときには、非常に暗く感じます。
このような暗い条件下では、ひとみ径の大きい双眼鏡を使うのがセオリーです。